食事のお悩みは根が深い。
子どもの食事の好き嫌いは避けては通れない道
保育士の仕事の中で、忙しくしんどい時間の一つが「給食」。
出されたものをスムーズに食べてくれる子ばかりなら良いのですが、まずそうはいきません。
大人である我々にすら苦手な食べ物があるのですから、子どもに好き嫌いがあるのは仕方がない話です。
それが分かっていても、保育士の立場としてはたくさんの食材に慣れてもらえるよう子どもを促していかなければなりません。
時々「家では食べないけど、保育園ではちゃんと食べてくれるんですね」とおっしゃる保護者がいます。
家では食べないけれど、保育園では食べるーその裏では保育士のさまざまな工夫や葛藤、子どもとの駆け引きが繰り広げられているのです。
給食をどこまで食べさせるのかという葛藤
保育士だって、給食の時間は子どもに笑顔でいてほしいのです。
好きなものだけあげて「苦手なものは食べなくていいよ」と言ってしまった方が楽なのですが、そうもいきません。
一度それをしてしまうと、その子は苦手な食材を克服する機会を失ってしまうからです。
かといって、無理やり食べさせるのは逆効果です。
下手をすると食材に対するトラウマを作ってしまうし、場合によっては虐待にもつながります。
(小学校時代に苦手なものを無理に食べて吐き戻して以来、その食材を受け付けなくなってしまった知り合いが私にはいます)。
無理強いにならないレベルで、給食をなるべく残さないように食べさせるというのが理想です。
そのためにはどんな言葉がけをし、どれだけの量を食べさせたら良いのか。給食中の保育士はそんな葛藤の中にいます。
給食の切り上げ時
私が考える給食の切り上げ時はこんな時です。
苦手なものを少しでも自分で食べることができた
苦手なものを自分で食べるというのは大人でもなかなか難しいことかもしれません。
完食できなかったことを責めるより、ちょっとでも前に進めたことを褒めて終わりにしたいところです。
約束しただけの量を食べきった
食材の量が多い時のパターンです。
「これだけ食べる」と量を決めて切り上げます。
最初から小食なのが分かっているなら箸をつける前に減らしてしまうほうが良いでしょう。
集中力が完全に切れている
座ってはいるけれどぼーっとしていたり、立ち歩きが始まった時。
完全にやる気がなくなっているときはだらだらした状態で完食させるよりいっそ終わらせてしまったほうが良い時があります。
極端な食事時間オーバーは次の活動にも悪影響です。
寝てしまった
小さな子にありがちです。
給食序盤でほとんど食事をしていないという場合以外は、そのままお昼寝に入ってもよいと思います。
アレルギーの情報共有は絶対
給食に臨む際、好き嫌いの話の前にアレルギー情報の共有だけは欠かしてはいけません。
好き嫌いで食べないのではなく、アレルギーだから食べないという子どもも増えています。
まだ言葉で自分のアレルギーを表現できない年齢の子も多いので、アレルギーは保育士の側でちゃんと把握しておくことがとても重要なのです。
間違ってもアレルギーのある子に、アレルゲンを無理やり食べさせるということはないように気を付けなくてはなりません。
外部リンク⇒お餅は子供にいつから食べさせていいの?
「好き嫌い」のまとめ
給食は好き嫌い対応以外にも、食べこぼしの清掃や食器の持ち方指導など様々な要素が重なる戦争の時間です。
それでもなるべく心に余裕をもって子供たちと接するように努力していきたいですね。
関連ページ⇒給食は保育士のひそかな楽しみです。