園児に大好きって言ってもらえるのはうれしいこと。でも「ママより保育園の先生が好き」って微妙な気持ち。
「先生大好き」は嬉しいけれど
小さい子どもからの「先生、大好き!」って保育士としてとてもうれしい言葉ですね。
大人になるとなかなかストレートに「大好き」といわれる機会も少ない中、日々の大きな癒しになることでしょう。
でも、ただ喜んでいるだけでは済まないことも。
今回のテーマは「子どもとの距離感」についてです。
担任の先生よりなつかれてる?
保育士として勤務していると、自分のクラスだけでなく他のクラスにヘルプに入ったり、夕方だけ合同保育をしたりと、よそのクラスの子とたびたび関わる機会があります。
その際、クラスで受け持っている子が、担任である自分を無視して、違うクラスの先生の方に一目散に駆けていったら…。
ちょっと嫉妬してしまいませんか。
あるいは担任の先生がいるのにそっちのけで、よそのクラスの先生である自分の方に子どもがよって来たら…。ちょっと気まずくなりませんか。
でもこれは結構あることです。
クラス担任の場合、生活習慣を正さなければならないという役割もありますから、自分のクラスの子には厳しく接することが多くなります。
発達状況も分かっているので、いつもできることができていないと、「さぼっているな」と見抜いてしまいます。
しかし自分が慣れていない子にはあまり厳しくできないものです。
クラス外の子どもはどんな性格かよくわからないので、話し方にも気を使います。
また、どんなことができて、どんなことができない(成長段階がまだそこまできていない)のか正確に把握していないため、さぼっているのか、本当にできないのか見抜くことが難しくなります。
例えば、「お着替えができない」と言われれば、ついつい手伝ってしまい、あとから担任の保育士に、「あの子は甘えていただけで、本当はできるんだ」と教えられることもしばしば。
担任ではないのになつかれているのは、甘やかしてくれる優しい先生に子どもが寄って来ているのかもしれませんね。
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お母さんより先生がいい!って言うんです?
「うちの子、お母さんより先生がいいって言うんです」という保護者のお悩みもあります。
親という立場上、ついつい口うるさくなってしまったり、忙しくてなかなかかまってあげられなかったり。それに対して優しくて沢山遊んでくれる先生の方がいいのか…と落ち込んでしまうお母さんもいるようです。
でも、子どもが好意を持ってくれるのはありがたいことですが、保育士はあくまで保育士。
お母さんにはなれません。子どもだって本当はお母さんが一番!なのです。
保育園に長い時間子どもを預けて働いているお母さんは子どもとの時間を十分とってあげられない、子どもとの接し方が間違っているのでは?と悩んでいるケースもあります。
育児相談も保育士の仕事の一環ですから、保護者が自信を持てるような言葉がけをしてあげてください。
厳しい保育士も、逃げ場としての保育士も必要
ここまで読んで、子どもになつかれることはうれしいけれど、それは自分が甘すぎるからではないだろうかと悩む保育士もいるかもしれません。
確かに、子どもに優しく接するだけでは務まらないのが教師業。
しかし、社会性を育てるためには厳しい保育士が必要な一方で子どもの逃げ場としての保育士もまた必要なのです。
いろいろなタイプの保育士が関わることが子どもの豊かな成長につながります。
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子どもとの距離感は難しい
先生という立場上、悩みの多い子どもとの距離感。
しかし、なんだかんだいっても「先生大好き!」はうれしい言葉です。言われたら、「○○ちゃんも、大好き!」と返してあげましょう。
保育士に休憩時間ってあるの?ゆっくりできる時ってあるのかな?